その仮面、剥がさせていただきます!

「リツは楽しくなかった?」

リクにそう聞かれ、あたしはもう一度ため息をついた。

「ううん、そうじゃないの。あたしってどうしてこんなにダメダメなのかなって」

「リツの何がダメなの?」

「何がって……」


声を大にして言いたい。

”全部だよっ!!”


「俺にはよくわからないけど……」


そりゃそうだ。

何もかもを兼ね備えているリクにコンプレックスだらけのあたしの気持ちなんかわかるはずない。

「でも、そう思う気持ちは分かるよ。俺だって自分の嫌な所あるし」

歩きながら隣にいるリクを横目で眺める。

すらりと長い脚。あたしより頭一つ分ある背。文句の付けどころがない顔。


「どこに嫌なところがあるっていうのよ?」

「…………」

ほら、答えられないでしょ?

「同情なんかいいよ。あたしは自分のこと、よ~く分かってるから」


王子と呼ばれ、何もかもが完璧な海道陸人と一緒にいると、自分がどんどん惨めになっていく。惨めになって、それがイライラに変わっていって、何も悪くないリクに八つ当たりするあたしって……

性格もダメダメだな。はあ……


またため息を付くと、隣で並んで歩いているリクの手のひらに、あたしの手が包まれた。

驚きのあまり、地面に向いていた顔がビクンと跳ね上がる。

見上げたリクの顔は、手のひらの体温と同じで温かかった。



「リツには特別に俺のヒミツを教えてあげる」