「リツ。待った?」
にこやかな王子。
「ううん。そんなに……」
色んなことがあって、ちょっと不機嫌なあたし。
「じゃ。帰ろうか」
そんなあたしの気持ちも気づかず王子はいつものスマイルで……
何の前触れもなく王子の右手があたしの左手を握った。
はあ?
あたしは思わず掴んでいた王子の手から自分の手を引きはがす。
「リツ?どうしたの?」
あたしを心配してるのかしてないのか分からない顔。王子は変わらず優しい口調で言ってくる。
「『どうしたの』じゃないわよ……いきなり手って」
どうかと思うけど。
あたしだって男と付き合ったことがないわけじゃない。けど、あたしは多少王子のことを知ってたとしても、王子はあたしのこと何も知らないじゃない?
それなのに、いきなり手を握ってくるって??
「付き合ってるんだから当然じゃない?」
「当然じゃない!!」
同じトーンで話す王子にイラッとしてあたしの声が大きくなる。
「え?だって雑誌にそう書いてあったよ」
「雑誌って……」
「女の子は手を握ったりして歩くのが好きって。あ。腕を組んだ方が良かったのかな……それとも」
ダメだこりゃ……
どうして王子と一緒にいて疲れるのか少しだけ分かったような気がする。
「もしかしてだけど、三回目のデートでキスをするとか、書いてあったらその通りにするのかな?」
「リツ。キスはね。ホントは告白された時にするものなんだよ」
「へえ」
もう呆れて返す言葉もありません。
もしかして、こういうところがキライになって元カノさんたちは王子を振ったのかな?
え~でも。
王子のこと好きでも何でもないあたしは冷静に分析できるかもしれないけど。
王子のことを好きな女の子は、手を繋がれたらやっぱり嬉しいものじゃないだろうか?
告白して、あのスマイルで『いいよ。お付き合いしても』って言われてさ、あの顔でキスでもされた日には、心臓が壊れそうなほどトキメクってもんじゃないだろうか?
王子のことが好きならね。
マニュアル通りにされたところで、嫌がる女子の方が少ないかも……
にこやかな王子。
「ううん。そんなに……」
色んなことがあって、ちょっと不機嫌なあたし。
「じゃ。帰ろうか」
そんなあたしの気持ちも気づかず王子はいつものスマイルで……
何の前触れもなく王子の右手があたしの左手を握った。
はあ?
あたしは思わず掴んでいた王子の手から自分の手を引きはがす。
「リツ?どうしたの?」
あたしを心配してるのかしてないのか分からない顔。王子は変わらず優しい口調で言ってくる。
「『どうしたの』じゃないわよ……いきなり手って」
どうかと思うけど。
あたしだって男と付き合ったことがないわけじゃない。けど、あたしは多少王子のことを知ってたとしても、王子はあたしのこと何も知らないじゃない?
それなのに、いきなり手を握ってくるって??
「付き合ってるんだから当然じゃない?」
「当然じゃない!!」
同じトーンで話す王子にイラッとしてあたしの声が大きくなる。
「え?だって雑誌にそう書いてあったよ」
「雑誌って……」
「女の子は手を握ったりして歩くのが好きって。あ。腕を組んだ方が良かったのかな……それとも」
ダメだこりゃ……
どうして王子と一緒にいて疲れるのか少しだけ分かったような気がする。
「もしかしてだけど、三回目のデートでキスをするとか、書いてあったらその通りにするのかな?」
「リツ。キスはね。ホントは告白された時にするものなんだよ」
「へえ」
もう呆れて返す言葉もありません。
もしかして、こういうところがキライになって元カノさんたちは王子を振ったのかな?
え~でも。
王子のこと好きでも何でもないあたしは冷静に分析できるかもしれないけど。
王子のことを好きな女の子は、手を繋がれたらやっぱり嬉しいものじゃないだろうか?
告白して、あのスマイルで『いいよ。お付き合いしても』って言われてさ、あの顔でキスでもされた日には、心臓が壊れそうなほどトキメクってもんじゃないだろうか?
王子のことが好きならね。
マニュアル通りにされたところで、嫌がる女子の方が少ないかも……