「椎名くん……」 あたしの上に落ちてくるはずだった棚やファイルをすべて浩太が受けてしまった。 浩太はあたしから離れると「大丈夫?」とあたしを心配してくれる。 「あたしより椎名くんは大丈夫?」 「平気……っぅ―――」 肩を回した浩太の顔が歪んだ。 「椎名。おまえまさか肩を痛めたのか?」 先生が浩太の肩に触れると浩太は辛そうに目を固く閉じた。