お腹も満たされると、考えることはやっぱりリクの事。


リクは今頃何をしているのかと、出られない教室の中で思いにふける。


「なあ」

周りを気にするように見回してから小さな声で春樹が話しかけてきた。


「今更返せないよ」


パンごときで小さい男だ。


「あ?オレはこの前のことがどうなったかって聞きたかったんだけど?」


ああ。そっちね。


春樹にも話しを聞いてもらったことだし、結果報告をしたかったけれど、どう話しても恥ずかしさが先に立ってしまう。


「うん。まあ。そういうこと」


あたしは有耶無耶に答えた。


「そんなんじゃ全然分かんねぇ」


そうでしょうとも。


「だから」


春樹の耳元に近づいて更に小声で言う。



――――付き合うことになったの