いつもより早い時間に目が覚めた気がした。


横を見るとリクのキレイな顔がすぐそこにあって、あたしはこれでもかってぐらいリクの顔を眺めていた。


長いまつ毛に整った鼻。


口元が少し上がっていて幸せそうに眠ってるなって思うとあたしも幸せな気分になる。


この口から言ってほしいな……


その言葉を聞いたら心の中にある寂しさが一気に消えてしまうのに。



「ん……リツ?」


リクの目が開くと、まだ眠そうにリクが目を擦った。


いつもはリクが先に起きてて滅多に寝起きのリクは見られない。


拓にぃによってふわりとさせられたリクの黒髪に少し寝癖がついている。


あたしの頭を肩に乗せたまま、んんっと伸びをしたリクは時計を見て固まった。



「リツ……寝坊した……」