不安そうにリクが聞いてくる。


「考えてるよ。頭にハゲができそうなぐらい考えてる」


リクがプッと吹き出すとあたしもつられて笑った。


「それじゃリツの頭の中は俺のことでいっぱいだね」

「ウザいぐらいにね」

「それヒドイ……」

リクの声がいじけていたからごめんごめんと言いながらまた笑う。


笑いながらふと思った。


今なら聞けるんじゃないのかって。


「リクはなんであたしと付き合いたいって思ったの？」


これは誘導尋問かもしれない。

ホントはあたしのことスキ？って直球で聞きたかったけどそこまでの勇気はない。


「リツは彼女と友達の違いって何だと思う？」

「違い？う～ん」


違いか。

改めて言われると答えられないかも。


ってか質問返しされてるし。




あたしが真剣に考えていると暗闇の中でリクが起き上がったのが分かった。


「友達だとこういうこと出来ないからだよ」


リクはそう言うとあたしとの間にあった境界線を越えてきた。