その仮面、剥がさせていただきます!

そのキスは優しくて温かい。

リクが「好きだよ」って言ってくれているみたいで嬉しくなる……

リクの手がゆっくりとあたしの胸に移動した時、あたしは驚いてリクから離れた。

「ゴメン。突然のことだらけで……ちょっとびっくりしちゃって」

頭の中は混乱中……

「ううん。いいよ」

ってリクは言ってくれるけど、この雰囲気は……

その、えっと、しようとしてるんだよね?

手のひらで頬を包まれたあたしは吸い込まれそうなリクの綺麗な瞳から目が離せずにいると、リクの顔が近づいてきた。

「ちょ、ちょっと待って」

全然頭の中の整理がつかない。

片付け下手だけど、脳裏の整理も下手だったか……

そんなことよりもだ。

このままリクに身を任せてもいいのだろうか?


あたしはリクが好き。

リクもあたしが好き?だとしたら、ん?いいのか……

でも、イマイチ納得できないのはなんでだろう。


「いつまで待てばいい?」

至近距離にリクがいることをすっかりと忘れてた。

「えっと。リクがあたしをってどうしても信じられないっていうか……」

また『びっくりした?』ってからかわれそうな予感がするんだもん……

リクはクスッと笑ってから切ない表情であたしを見た。


「リツは俺を見て。俺だけのことを想って」

「リクだけを?」

「そうだよ。続き、してもいい?」


そうだよね。リクのことが好きでたまらないあたしに断る理由はない。

「うん……リクがいいなら……」

いいよ。って言いかけたあたしの唇が止まる。


これってデジャヴ?

前にもこれと似た展開があったような……


リクの唇があたしの頬に振れ、徐々に首筋を伝う。

言われたようにリクだけを想って……と集中しようとするけど、どうしても気になって違うことを考えてしまう。


あ……

そっか。そうだったんだ……


そう納得した時、涙が頬を伝わっていた。