その仮面、剥がさせていただきます!

せっかく来たのだからと、雑貨や食器なんかを色々と見て回った。

結構可愛いマグカップや食器があったな。

あの抱き枕も抱き心地よかったし。

買うとしたらどれがいい?とかリクと話しをしながらウィンドウショッピングを楽しんだ。

そしてお昼も過ぎたころファーストフード店でお腹を満たす。

「ベッド。いい値段したよね。大丈夫なの?」

「丁度買い換えようかって思ってたところだったから」

「そう。広いベッドいいな。あたしも今度買うんだったらセミダブルにしよっかな」

店員さんも二人寝るには十分だって言ってたし……

二人?

そういえば、リクは二人寝るって設定でベッドを選んでいた気がする……


ま、まさか。

これから出来るであろうカノジョと一緒にと想像しながらセミダブルを買った……とか?

あたし……

その未来のカノジョの代わりだった……とか?


うううっ。

リク。そんなの残酷過ぎるよ……


ストローをくわえてオレンジジュースをすすりながら恨めしそうにリクを見る。

「あ。リツちょっとここで待っててくれる?」

早めに食べ終えたリクは何やら急いで席を立った。

さては、あたしの勘の鋭さにおののいて、逃げる気だな。

そそくさと人ごみに消えていくリクの後姿を見てため息を付いた。


考えないようにしてたけど、リクってどういう気持ちであたしと一緒にいるんだろう……

暇つぶし?それともやっぱり次のカノジョまでの代わりなの?

そんなこと考えてみたところでリクでもない限り分からないことなのにね。


一人寂しくあたしは残りのハンバーガーを食べる。

トイレに行ったにしては長すぎる。

お腹でも壊したかな……

フフフフ。

完璧な王子でも腹は壊す~


そりゃ人間だもの。


食べ終えた残骸の乗ったトレーを片付けているとあたしの傍に寄ってきた男の人に声を掛けられた。

「君って確かコンビニで会った子だよね?」