空はどんよりと暗いのに地上はネオンが眩しくて、街の賑やかさに少しだけ救われる。
握っていたケータイの着信音が街の騒音でかき消されるところだった。
「何?」
<律子~今どこにいるんだよ>
「別にどこだっていいでしょ?」
拓にぃからの電話でがっかりした自分に苛々する。
リクの電話を期待していたんだと思うと悲しくなった……
<オレ様が来てやったのにいないとは。まあ。部屋での~んびりしてるから早く帰ってこいよ。このカレーって食べていいのか?>
「カレーはダメ。部屋でって……カギは?」
<兄貴だって言ったら管理人さんが開けてくれた☆>
「そう……」
別に今更驚かない。
<なんだ?元気ないぞ?陸人にでもフラれたか?>
「フラれるも何も……」
リクの部屋で聞いた声を思い出してしまう。
今日のお昼はあたしが初めて作ったカレーを食べようって言ったのに、リクは女の人と一緒にいた。
あたしとじゃなくて違う女の人と……
でも。リクを責めることは出来ないんだよね。
だってあたしとリクは友達だから……
リクが誰と一緒にいて何をしていようが、あたしにとやかく言う資格はない。
ぽろぽろと大粒の涙が流れる。
<律子?泣いてるのか?>
「ぅう……カレー食べてもいいよ。ってゆうか、そんなもん全部キレイに食べちゃって!!」
泣きながらケータイで話しをしているあたしを通行人は怪訝そうに見ている。
<律子……早く帰ってこい>
「帰らない。今日は帰らないからっ」
リクの隣になんか帰らない!
帰れないよ……
拓にぃとの電話を一方的に切ると目の前にあったネットカフェに入った。
個室に入り椅子に座ると天井を見上げた。
配管がむき出しの天井が見える。
こんな風にリクの心の中も全部見えたらいいのに……
あの女の人って……誰だろう……
また涙がこぼれ頬を伝わると肩にシミをつくる。
何も考えない。これ以上リクのことは考えない……
そう思えば思うほどあたしはリクのことばかり考えてしまう。
握っていたケータイの着信音が街の騒音でかき消されるところだった。
「何?」
<律子~今どこにいるんだよ>
「別にどこだっていいでしょ?」
拓にぃからの電話でがっかりした自分に苛々する。
リクの電話を期待していたんだと思うと悲しくなった……
<オレ様が来てやったのにいないとは。まあ。部屋での~んびりしてるから早く帰ってこいよ。このカレーって食べていいのか?>
「カレーはダメ。部屋でって……カギは?」
<兄貴だって言ったら管理人さんが開けてくれた☆>
「そう……」
別に今更驚かない。
<なんだ?元気ないぞ?陸人にでもフラれたか?>
「フラれるも何も……」
リクの部屋で聞いた声を思い出してしまう。
今日のお昼はあたしが初めて作ったカレーを食べようって言ったのに、リクは女の人と一緒にいた。
あたしとじゃなくて違う女の人と……
でも。リクを責めることは出来ないんだよね。
だってあたしとリクは友達だから……
リクが誰と一緒にいて何をしていようが、あたしにとやかく言う資格はない。
ぽろぽろと大粒の涙が流れる。
<律子?泣いてるのか?>
「ぅう……カレー食べてもいいよ。ってゆうか、そんなもん全部キレイに食べちゃって!!」
泣きながらケータイで話しをしているあたしを通行人は怪訝そうに見ている。
<律子……早く帰ってこい>
「帰らない。今日は帰らないからっ」
リクの隣になんか帰らない!
帰れないよ……
拓にぃとの電話を一方的に切ると目の前にあったネットカフェに入った。
個室に入り椅子に座ると天井を見上げた。
配管がむき出しの天井が見える。
こんな風にリクの心の中も全部見えたらいいのに……
あの女の人って……誰だろう……
また涙がこぼれ頬を伝わると肩にシミをつくる。
何も考えない。これ以上リクのことは考えない……
そう思えば思うほどあたしはリクのことばかり考えてしまう。