「あ、あの…」



「んー?何だ兄ちゃん。まさか断るなんて言わねえよなぁ?そんなひどい人間には見えねえしな兄ちゃん」








ぎゃああ!!



超怖い超怖い!!





ここは大人しく渡しておこう。






例えお金が入ってなくても!






恐る恐るポケットから財布を取り出す。






でも、定期だけは抜いておかないと帰れない…!







そう思い財布のフタを開けようとしたら――。









「さっさと寄越せよウスノロが!!」








ガッ。





定期を抜くひまもなく頬を殴られ、そのすきに財布を奪われた。