「夏南…」 「なに?桂樹」 「…ごめんなさい…っ!!」 約束を守れなくてごめんなさい。 何も言わずに君から逃げてごめんなさい。 君の未来を奪ってしまってごめんなさい。 たった一言を伝えるために2年もかかって…本当にごめんなさい! 夏南の手を握りしめ頭を下げる。 「顔を上げて桂樹」 その言葉に従い、僕はゆっくりと顔を上げる。 昔と変わらない真っ直ぐな瞳が狂いなく僕を見つめる。