「礼はいい。去るものは追わない主義だからあたしは何も言わない。けど一つだけ」 「一つだけ…?」 「一日早いクリスマスプレゼント」 そう彼女は微笑んで僕に拳を突き出した。 「自分を変えんのは自分よ柏木」 「え…?」 「じゃあね。次会う時もそんな辛気臭い顔してたらただじゃ置かないから」 守風さんらしい別れ方…なのかな? でも慰めも甘えも与えない彼女が僕にアドバイスをくれるなんて…。