えっ? 僕、そんなに視線感じなかったけど…。 でも冷静に考えればそりゃあ目立つよね…。 男一人ずーっとツリーを眺めてたら。 「なんか思い入れでもあるわけ?あのツリーに」 「…それは……」 あのツリーは…――。 「言いたくないなら無理に聞かないけど」 「…あの広場のツリーは、彼女との約束だったんです」 「約束?」 「はい。僕と彼女、橘 夏南(タチバナ カナン)との約束のツリーなんです…」