「ごめん、夏希君。どこ行くって?」 だから、もうストレートに聞いてみた。 すると私のその質問に、目の前の夏希君は、当然と言わんばかりの表情で、さらにストレートな言葉を返したんだ。 「俺んち」 「……は?」 「ん? どした?」 「い、いえ」 待て待て待て待て。“俺んち”って言った。 目の前で仔犬のような真っ黒な瞳をパチパチとさせて、夏希君は確かに、そう言った。 「……えぇっっ!?」 驚きと動揺で、反応がワンテンポ遅れてしまった私は、まるでマンガみたいにズザザザッーっと後ずさり。