「えぇっ!! そうなの!? だって、いつもこうやって握ってなかった!?」
そう口にして、ハッとした。
だって、こんな事言ったらいつも盗み見していた事がバレバレじゃないかっ!!
「あっ!! ち、違うの……えっと、なんだろ!?」
慌て過ぎて、もはや意味不明な事しか言えないでいる私に、一瞬“ん?”と首を傾げたあなたは、「あー俺か。俺は、左打ちだから」と、まるで何も気にしていない様子で口にしたんだ。
「左……打ち?」
「おー。だからあんた、左のバッターボックスに入ってたのか」
そう言って、さっき私が立っていた場所を指差す。
「普通は違うの?」
さすがにそこまでは考えてなくて、何ならどっち側で打ってもいいんだと思っていた。
だって野球、わかりませんもん。
首を傾げながらその瞳を見上げると、“会釈仲間”さんは、少し考える素振りを見せた後……
「あんた、左利き?」
そう訊ねてきた。

