好きだ好きだ、大好きだ。


驚きすぎて言葉を失う私の目を、その真っ黒な瞳で見つめたまま、首を傾げるその人は……

「“会釈仲間”さん?」
「はい!?」
「あぁっ!! ごめんなさい!! こっちの話しです!!」

他でもない。“会釈仲間”の彼だったんだ。

「で? どうする?」
「え!?」
「多分ね、このまんまじゃ一生バットにボール当たんないかも」

ドクン――……。

軽い暴言を吐いているにも拘らず、目の前の彼は何故か飄々としている。
それなのに、少し屈んで私の顔を覗き込むその瞳に、大きく跳ねた私の心臓。

「取りあえずさ……」
そんな言葉と共に、打席のドアを開けた彼。

本当は、危ないから1人しか入っちゃダメなんだけど、今の私にそれを注意する余裕があるワケもなく。

ワタワタする私の手の辺りを指差して。
「手が逆ね。ケガすんぞ」
そう言って、少しだけ眉間にシワを寄せた。