――だけどね。
「な、なんで?」
世の中そんなに甘くなかった。
ガックリと項垂れる私の足元には、信じられない数のボールが転がっている。
本気だったんですよ?
別にふざけてたワケじゃなくて。
それなのに、当たった数が……ゼロってね。
「おっかしいなぁー」
首を傾げて唇を尖らせながら、足元に転がるボールを機械の方に転がしていく。
うーん。悔しい。
だって私、運動が出来る事だけが取り柄だし。
このままじゃぁ、引き下がれない!!
本当にくだらない。
打てないのは薄々気付いてるのに、負けず嫌いの私は、またお財布から小銭を取り出して後ろを振り返ろうとして……。
だけど次の瞬間、私はまるで凍りついたように、動けなくなってしまった。
「まだやるんだ」
「……え?」
「打ち方、教えようか?」
「――……っ!!」
一瞬なにが起こったのか、本当にわからなかった。
だって、こんな事起こるなんて想像出来るワケがないし、起こらないと思っていたから。

