「変な子」 その代りに、少し笑ったような彼の声が聞こえた。 「え?」 「いいよ。貸してあげる」 「……」 「行かないの?」 「えっと……行きます」 「あっそ。じゃー行こう」 口調は相変わらずだけど、さっきまでの面倒くさそうな表情が少し和らいだ気がした。 それから彼は、何食わぬ顔で2人分の入場券を買って、1枚を私に渡し、 「あの、ちょっと!」 慌てる私をやっぱり置き去りにして、さっさとゲートを通って行ってしまった。