それから、茫然とする私に“降りないの?”と声をかけて、さっさとバスを降りたその人は、慌てる私を放置して、はなまるパークに向かってスタスタ歩いて行った。
「あ、あのっ!!」
「……はい?」
その背中を追って、駆け寄って……。
「ありがとうございました!!」
「いえいえ。だって、あのハゲ、ワケわかんなかったし」
ガバッと頭を下げた私に、おっさん帽子かぶってたじゃん……と思わせるようなセリフを吐いたその人は、スピードを下げる事なく、入場口に向かって歩いて行く。
「あの……っ」
「ん?」
「お金、必ず返しますから」
「あー、いいよ別に」
パタパタとその後ろを追う私に、視線を向けることのないその人。
でも、そんなワケにはいかない。
それに……もう1つ、言わないといけないことがある。
「ちょっと待って下さい!!」
「……まだ何かあるの?」
少しだけ面倒くさそうに溜め息を吐いて、やっと立ち止まったその人に、私はノートを差し出した。

