未だに延々と続いている運転手さんのお説教(?)に、もうこのままダッシュでバスを降りてやろうかとか、終点の駅まで亜矢を呼び出して、お金を払わせようとか……
そんな、どうしようもない考えが頭に浮かんだ時だった。
「おっさん。その話し、その子に関係ないでしょ?」
「……え?」
我関せずを決め込んで黙り込む乗客の中から、男の人の声がした。
「いくら?」
「え?」
「お金」
そう言って、ポケットからお財布を取り出したその人は……
「150円……です」
呆気に取られながらも、しっかり自分の乗車料金を口にした私の横にある、お金の投入口に手を伸ばし、
「バス遅れてるけど、いいんすか?」
「え?」
「おっさんこそ、ちゃんと仕事しろよ」
運転手さんに(暴言風な)声をかけ、チャリンチャリンと、2人分のお金を放り込んだ。

