自習の時間だけのつもりが、つい勢いでその後の1時間も眠り続け、すっかり体力の回復した私は、バスに乗ってはなまるパークに向かっていた。
今日は久しぶりに晴れてるし、きっと空港も夕日も綺麗に見えるはず。
1人ウキウキしながら、“はなまるパーク前”なんていう、ちょっと押すのが恥ずかしくなるようなバス停でボタンを押して、席を立った。
私の前には、小さな女の子を連れた女の人が1人。
箱の中に自分でお金を入れたいと言い張る女の子に、お母さんはちょっと困ってるけど……。
いいじゃないか、いいじゃないか。
成長の証ですよ。
勝手に他人の成長を喜んだ私だったけど……。
「あれ?」
あ、あれれ?
いやいや、嘘でしょう?
「……」
――ない。
「お客さん?」
「あ、あのっ」
訝しげな視線を向ける運転手さんに、しょんぼりしながら口を開いた。
「お財布を忘れちゃったみたいなんですけど……」
お昼休みまでは確かにあったお財布が、カバンのどこを探しても見当たらない。

