数日前、人もまばらな理科実験室前の廊下で、顔を知ってる程度の先輩に呼び止められた。
その先輩は、どこからそんな噂を仕入れたのか、
「彼氏と別れたって聞いたから――……」
振り向いた私にそう切り出して、“愛の告白”とやらをしてくれた。
確かバスケ部の先輩で、見た目だけで言うならば、きっとカッコイイ方なんだと思うけど。
「ありがとうございます。でも……すみません。お付き合いは出来ないです」
私はペコリと頭を下げた。
それに、“わかった。急にごめんね”と言って笑った先輩は、きっといい人なのかもしれないけど……どうしてもダメなんだよね。
年上っていう時点で、気持ちが冷めてしまう。
これってきっと、アイツのせい。
JK発言サイテー男のせいに違いない。
「あんな男のせいで!!」
悔しい!!
悔しいけれど……
「でも、それを好きになったのは私だもんなぁ」
それが分かっているから、余計に質《たち》が悪い。

