「でも紗英、こないだも先輩にコクられてたじゃん」
「……」
「マジで!? ちょっと紗英!! 私聞いてないけど!?」
「もー、華!! 亜矢に言わないでって言ったじゃん!!」
華も華で、相変わらずどっか抜けちゃってるしさ。
「あぁー!! ごめん!! 口が滑ったぁ!!」
「ちょっと華!! 何それ!? 何で紗英のいう事なんて聞くの!?」
「ごごごごごめんよ、亜矢ちゃん!! だって――……」
「2人ともうるさい!! 華! 責任持って亜矢をどっかに連れてって!!」
「あわわわわわわ……!! あ、亜矢ちゃん!! 取り合えずこちらのお席にっ!!」
私の大声に肩をビクーッとさせた華は、よっぽどしまったと思ったのか、無理やり亜矢の腕をつかむと、引きずるように彼女を連れ去った。
その2人の背中に、巨大な溜め息を1つ。

