バクバクと音を立てる心臓に、もしかしたらウサギさんにも、それが伝わってるんじゃないかと思って焦った。
だけどウサギさんは毛皮に包まれているし、今日はカッパも着ているし。
……うん。
きっと大丈夫。
そう一人で確信した私は、少しだけ震える指をその腰の辺りに回して、ギュッとそこにしがみついた。
バクバクは多分聞こえていなかったはず。
だけど、さすがに私の“ギュッ”には気付いたらしいウサギさんは……
「……」
まるで元気づけるように、私を片手で抱きしめたまま、空いているその大きな手で、頭をゆっくりと撫でてくれたんだ。
さっきまで一緒にいたバカ男とは、何度も素肌を合わせたことがあったのに。
「ウサギさん、だんだん温かくなってきた」
それなのに、直接肌同士が触れ合ってもいないこのショッキングピンクの生き物は、もっと温かい。
それがすごく幸せで……。
だから私は、ウサギさんが動かないのをいいことに、ずっとずっとその体にピッタリとくっついていた。

