“何で泣いていたんですか?”
「……っ」
いつもよりも乱れた文字で、走り書きのように書かれたウサギさんのその言葉に、胸がドキンと跳ね上がって、嫌なことを思い出して……。
「彼氏にフラれました」
だけどやっぱり素直になれない私は、痛む胸を誤魔化すように、笑いながらそう口にした。
「今日は珍しくお昼に彼に呼び出されてね。なんか、講義が休講になったとかって……」
聞かれてもいない事を、ヘラヘラと笑いながら話す私って、ホント無様だよね。
だけど隣に座ったウサギさんは、正面を向いたまま私の話しを聞く体勢で。
もういいやって思った。
だって、ウサギさんの素性なんて知らないし、きっと外で逢ったって向こうも話しかけてこないだろうし、こっちはわからないんだから。
だから、この目がチカチカする生き物に全部洗いざらい話して、スッキリしてしまおうと思った――……。

