「……」
“……”
何だろう。
ウサギさんの様子がおかしい。
降り止むどころか、強くなった気さえする雨の中、立ち尽くす私とウサギさん。
「えっと、どうしたんですか?」
やっとかけたその声に、ウサギさんはゆっくりと私に手を伸ばし、
「えっ!? ど、どこ行くの!?」
手首をギュッと掴むと、どこかに向かって歩き出したんだ。
「ウサギさん!? え!? 拉致!?」
今までのおっとりとしたウサギさんの動きとは違う、少しだけ機敏なその動きに、頭の混乱した私は“中身が別の人なのでは!?”なんて思ったり。
だけど、屋根の付いた、ベンチが置いてある小さなスペースまで歩いて……
振り返ったウサギさんが、私にいつものように書くものを出せと言ってきたから、きっと中身は同じ人だと思ってホッとした。

