家に帰れないのもそうなんだけど、少しだけ、誰かに話しを聞いて欲しかった。
「でもよく考えたら、雨の日はウサギさんいないのかな?」
傘に当たる雨音は、ボンボンとすごい音を立てていて。
「ウサギさん、濡れちゃったら乾かすの大変そうだもんね」
肩で傘の柄を支えた私は、濡れるのなんかお構いなしにフェンスに腕をのせ、その上に頭をもたげて瞳を閉じた。
「なんか、疲れちゃった」
小さく呟いた言葉は、すぐに雨の音にかき消されてしまう。
でも、それでもいいから……
胸の中に溜まってしまった言葉を、全部外に吐き出してしまいたかった。
「ばーか。ムカつく。最低男。クズヤロー」
散々汚い言葉を吐いたその後に、
「……もうやだ」
やっぱり零れてしまう、少しの弱音。

