そして、夕日がすっかり沈んでしまったその場所で、もう一度ペンを握った。
“いつか本当に好きな人が出来て、一緒に来られるといいですね”
「……」
本当に、
好きな人。
「じゃー、私は今の彼氏の事を本当に好きじゃないの?」
“わかりませんが、何となく話し聞いていてそう思っただけです”
「ふ~ん」
“なんて、みんなの恋人のウサギにも一人だけを好きになる気持ちは、よくわかりませんけどねー”
「あははっ!」
いつも通り、体を左右に揺らすウサギさんは楽しげで。
もう少しだけ、この人――もとい、ウサギさんと話をしていたかった。
でも……。
「あれ? ごめんなさい、携帯が……」
制服の胸ポケットで小さな音を立て始めた携帯に気が付いて、それを取り出した。
「彼氏からメールだ」
開いたそれには、
【今日泊まりに来てよ】
たった一言、それだけのメール。

