「ウサギさん、私ね」
海に沈んでいく夕日を眺めながら、なんとなく、ホントにただ何となく、ウサギさんに話してみたくなった。
「ここの観覧車って乗ったことないんですよ」
それに、首をちょっと傾げたウサギさんは、その言葉の続きを待ってくれているご様子。
「うちの親は両方とも高所恐怖症で」
“うん”
「友達と来た時も、なんとなく乗らなくて」
“うんうん”
「でもね、それでよかったの」
“うん?”
「……あははっ!」
“なに?”
「ぷぷぷっ! 何でもないです!」
かぶり物が大きいせいか、全てのジェスチャーが大げさに見えるウサギさんが面白くて、つい笑ってしまう。

