「紗英だって、彼氏いるじゃん! 大学生のっ!!」
「……」
そうなんだけど、実は最近、あまり上手くいっていない。
「なんか、最近冷たいんだ」
「え?」
「他に女がいるのかもねー」
なんて、華に言ったら心配かけちゃうか。
「ていうのは冗談! 超らぶらぶー」
「何だぁ……。ビックリさせないでよ!!」
安心したようにダラーンと項垂れる華を見ながら、私は強がってケタケタと笑ってみせるけど。
“他に女がいるのかもねー”――それは、ホント。
証拠なんてないんだけど、何となくそう思う。
昔は優しかったのに、いつの間にか手を繋いで歩くことも、好きな食べ物を二人で頼んで、半分こすることも……
目を見て話すことさえ、彼はしなくなっちゃって。
「うひひ。ビックリしたでしょ?」
それでもどこかで彼を信じている私は、彼との別れを選ぶことが出来ずにいた。

