「コレ、あなたの?」
“うんうん”
「……」
“ん?”
「あー、そっか! ウサギさん、喋っちゃダメなのか」
また大きく頷いた着ぐるみのウサギさんは、はなまるパークのマスコット。
だから喋っちゃいけないんだろうけど……。
「こういう時も、喋っちゃダメなんですね」
“うん”
「そっかぁ……。あっ! コレ、ありがとうごさいました。うっかり寝入っちゃって」
“はいはーい”
「なかったら風邪ひいてたかもしれないです」
笑いながら、畳んだブランケットを手渡すと、ウサギさんは可愛らしくおどけた後、ブンブンと手を振って去って行った。
「さて! 私も帰らなきゃー!!」
テストも終わったし、キレイな夕日も月も、空港も見られたし!
また大きく、伸びをひとつして。
頭上を飛んで行く飛行機を見送った私は、ウサギさんが歩いて行った道を辿るように、出口に向かって歩き出した。

