「しょうがない。行ってあげるよ!」
笑いながら覗き込んだ夏希君の瞳は、やっぱり真っ黒でキラキラしていて、夏の星空みたいだって思った。
「やっぱり“夏希”って、いい名前」
クスクスと笑いながらそう言った私に、目をパチパチさせた夏希君は、そのまま私に腕を伸ばし、もう一度その腕に私を閉じ込める
「ななななな、夏希君!?」
「ねぇ、ハナちゃん」
「は、はいっ!?」
慌てふためく私をスルーして、相変わらず飄々と私の名前を呼んだ夏希君。
「もっかい」
「はっ!?」
「もっかい、今の言って」
い、今のってなんですか!?
「い、いい名前!?」
「んー、そのちょっと前」
「……夏希って」
「“って”はいらないかも」
「……っ」
この人は、どこまで私の心臓をバクバクさせれば気が済むんだろう。

