「……え?」
一瞬不貞腐れたような視線を向けた夏希君が、ポツリと言ったんだ。
「家族の写真飾ってるとか、恥ずかしいじゃん」
「は?」
「いい年した男がさ、あんなちゃんとした写真立てに家族の写真って……。俺だったらドン引きするし」
真っ赤な顔で頭を抱える夏希君は、何だかとっても可愛くて。
「もしかして、あの時“仲良いんだね”って言ったのは、兄貴の彼女と俺のこと?」
「……うん」
「頼むよ、ハナちゃん」
夏希君はそう言って、項垂れながら、脱力したように溜め息をこぼした後――
「――……っ!!」
ゆっくりとその大きな手を伸ばして、私の肩を掴むと、そのまま自分の方にグイッと引き寄せた。
「ハナちゃん」
胸に顔をうずめた状態の私の耳に、少しくぐもった夏希君の声と、大きな心臓の音が届く。

