好きだ好きだ、大好きだ。


「……あっ」

“あっ”って何よー。
夏希君の小さな声に、ほんの少しだけ顔を上げると、夏希君は考え込むように少し上を向いて「わかったかも」と小さく呟き、言ったんだ。

「それ、兄貴の彼女」
「……は?」
「“は?”じゃなくて。兄貴の彼女の胡桃(くるみ)さん」
「へっ?」
「兄貴と同じ大学の人なんだけど、わざわざ観に来てくれたんだよ。ついでに、あの帽子は兄貴のね」
「……」

“兄貴、同じ高校の野球部のOBだから”――そう付け加えた夏希くんだけど……。

ごめんなさい。
意味がわかりません。

「じゃー、なんで慌てて見えないように倒したの?」
「あー……」

そうなんだ。
私があの写真を見た瞬間の、夏希君のいつもと違う表情に、私はまた胸を痛めて……。
それに、今もまたちょっと顔赤いしさ。

その様子に、また視線を下に落としそうになった瞬間、耳に届いた夏希君の声。