「でもって、あの写真の話ね」
「う、うん」
夏希君の、少しだけテンションが下がったその声に、私は思わず身構えて息を呑む。
「ごめん、ハナちゃん」
「え?」
「あの写真の、どこ見てた?」
「……は?」
「いや、誰のこと言ってんのかイマイチ分んなくて」
あの写真を見た瞬間、私の目には夏希君と、その隣にしゃがむキレイな女の子しか映らなかったんだけど……。
顔を顰める夏希君は、どうやら本気でそんなすっ呆けたことを言っているらしく。
「夏希君の隣に、女の子座ってたじゃん」
「……」
「夏希君のボウシかぶって」
ちょっといじけたようにそう言って、抱えた膝に顔を埋める。
夏希君は“信じて”って言ってくれたし、私も信じてるけど、その事実だけは変わらない。
過去のことだとわかっているのに、それをこんなに気にする事になるなんて、恋ってのは本当に厄介だ。

