「で、何からお話ししましょうか」
「えぇ……っと、“お任せコース”で」
試合後の球場の片隅の日陰で、私の正面にあぐらをかいて座る夏希君は、膝の上に頬杖をついたまま私の返事に楽しそうに笑う。
いや、笑い事じゃないんですけど。
色々聞きたい事はあったはずなのに、いざこんな風に改まって聞かれると、大変困る。
でも……。
「ハナちゃん」
「うん」
「これからは、もしも万が一不安になるような事があっても、逃げないで、いつもみたいに“何で?”“どうして?”って聞いて?」
「……」
「もちろん、そうならないように頑張るけど、全部が全部そうはいかないから」
困ったようにそう言って笑う夏希君は、いつだって自分の気持ちを真っ直ぐに伝えてくれる。
私は、彼のそんなところも大好きで、見習いたいなって、本気で思う。

