好きだ好きだ、大好きだ。


――夏希君が、私のことを?

え?
でも、あの子は?

「なんか色々誤解があるみたいだけど、取りあえずそれだけはホント」

私の思考を簡単に読んでしまう夏希君はそう言って笑って、ゆっくりと振り返り、広場の時計を見上げる。

「あー……ごめん。行かないと」

もう一度私の頬を撫でたあと、あの日のように、かぶっていたボウシを私の頭の上にポンッと乗せた。

「頭、熱すぎ」

少し首を傾げて顔を覗き込んだ夏希君に、こんな想いを抱いてしまう私は、本当に嫉妬深いのかもしれない。
私のことを、好きだって言ってくれたのに……。

「ボウシ、いらない」
「……何で?」
「だって、あの子がかぶってたボウシだもん」

自分でも、何バカみたいなこと言ってるんだろうって思うのに、醜い感情が一気に溢れ出てしまう。