好きだ好きだ、大好きだ。


その瞬間、ちょっとクラクラして、一瞬まずいんじゃないかと思った。
このまま夏希君に逢う前に、私ぶっ倒れるんじゃないだろうか。

フラフラとした足取りのまま、球場の出口に向かう亜矢ちゃんの背中を追いかける。
追いかけて途中まで歩いて、立ち止まった。

「……華?」

そんな私に気付いた亜矢ちゃんがゆっくりと振り返り、そのまま私の視線を辿る様子が視界の端に映る。

「……っ」

ゴクリと息を呑んだ先には――あんなにも、逢いたくて仕方がなかったその人の、広い背中。

「華っ! 城戸君じゃん!」
「う、うん」

そうなんだけど。

「行かないと!」

わかってるんだけど。でも、夏希君のその隣。
そこに立つ女の子の姿に、私はどうしても、その場から動けなくなってしまったんだ。