「てか華、顔真っ赤。あんた、またボウシ忘れたの?」
「うん。途中で気付いたけど、戻れる距離じゃなかったし」
「えぇー。晃にボウシ借りてこようか?」
「いや、それはいい。無理。てか晃君の方が、ボウシ必要だから」
私の当然の言葉に、ちょっと唇を尖らせた亜矢ちゃんだったけど、目の前の試合の様子が気になるみたいで。
「大丈夫だから、取り合えず彼氏の勇姿をしっかり見ときなさい」
「うーん……。じゃーしんどくなったら言ってよ?」
「はぁーい」
良い子の返事を口にした後、カバンの中から取り出したハンドタオルを頭に乗せる。
どう考えたって、こんなカンカン照りの太陽に勝てるような代物じゃないけど、まぁ、ないよりはマシだよね。
この試合が終わったら、水道で濡らしてこよう。きっと少しはマシになるはず。
そんな事を思いながら、私はゆっくりと瞳を閉じたんだ。

