若干出鼻は挫かれたものの、せっかく頑張ってここまで来たんだから、もう後には引けない。 あと1時間もすれば、いつも通りやってくるだろう夏希君に、どうしても逢わないといけないから。 「はぁ……」 緊張で、ちょっとゴロゴロするお腹には、季節外れの貼るカイロ。 そこをこっそりと擦りながら、私は夏希君の姿が見えるのを、小さな事務所の中でずっと待っていた。