「亜矢ちゃん、やっぱり姐御だね」
「は? こんな手のかかるタマは要らないわ」
「え? そっち? 極妻?」
えっちゃんに投げてもらった箱ティッシュから、取りすぎだと思う量のティッシュを取り出して、楽しそうにケタケタと笑った亜矢ちゃんは、
「やっぱり華は、笑ってた方が面白い」
そんな褒め言葉のような、そうでもないようは、微妙な言葉を口にしながら私の鼻にティッシュを押し当てて、頭をペシペシと叩いたんだ。
だけど、何かを思い出したようにその手を止めて、私の顔を覗き込むから、私は何事かと目をパチパチさせる。
「城戸君ね、今年はあんまり調子よくないみたいだよー」
「……え?」
「私はよく分んないけど、晃がそう言ってた」
あんなに練習してたのに……。
亜矢ちゃんの言葉に、毎日バッティングの練習をする夏希君の姿を思い出して、また泣きそうになった。

