いつの間にか溢れていた涙を拭うことも忘れ、睦月は読み終わっても手紙から目を離さなかった。



「沖田さん・・・・」



それを微笑ましく見守る占い師が突然立ち上がった。



「ほら、涙拭いて。今度こそ、お別れだから」



無理やり睦月も立たされ、必死で涙を拭いた。



瞬間、全身が分からない何かで覆われたような感覚に襲われた。



まるで、沖田に抱きしめられているような。



「沖田さん、今までありがとうございました。だ・・・・大好きでした」



震える声でそう言った。



途端、風通しがよくなり、一気に不安が押し寄せた。



突然何かが物足りなくなった感じ。



沖田が側を離れたんだと、実感させられた。



しんとしたその部屋で複雑な空気が漂う。



占い師がゆっくりと口を開いた。




「アンタは幸せになれるよ」