「あの・・・・」



すると我に返ったように、ピクリと体を跳ねさせ、冷静を保たせている。



その様子がなんとも必死に見えて仕方が無い。



「えっと、まずは名前を聞こうか」



落ち着きの無い声と、「座って」という手振りに誘導され、丸い木の椅子に腰掛けた。



「あ、蒼井睦月です・・・」



「蒼井睦月さんね」



白い紙の上でスラスラとペンを走らせるが、それもどこか不自然で。



「今日はどんな占いを?恋愛運?仕事運?それとも・・・」



そう聞かれるも、どんなことを占ってもらおうかなんて考えていなかった睦月は、「うーん」と言葉を伸ばし、考える素振りを見せた。



が、先に占い師が口を開いた。



「あの・・・ちょっと聞いてもいいかな?」



「・・・・・・・はい?」



こんなシナリオ、占いにはないはず。



そう思いながらも、睦月は首を縦に振った。