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見慣れた顔が集まっているのが少し先に見える。



睦月は腰を低くして皆に近づいた。



「すみません、戻りました!」



その声に一番に反応したのは、期待を裏切らず輝だった。



「睦月さん!!今までどこにっ」



飼っている犬が主の帰りを待っていたかのようにしっぽを振る輝に、不覚にも笑みがこぼれた。



「ごめん。ちょっとね」



両手を合わせて首を傾げる睦月に、「まったく」と輝は安堵のため息をついた。




「起きたら睦月さん居ないんだもん。輝くんめっちゃ心配してましたよー」




輝の後ろからひょこっと顔を出し、にやりと口角を上げる七海に、何だか嫌な予感がする。



「てなわけで、睦月さんもどうです?」



「え?何が?」



睦月は突然の振りに何が何なのか分からないといった表情で口を開いた。