昔から、変な奴だった。 木登りが得意で、 でも木から降りるのは 超が付くほど下手くそだった。 そのくせいつも 木の上に居て、鼻歌を上機嫌に奏でているんだ。 時には、夜空の星を数えてみたり、 雲を食べ物に見立ててみたり、 なんだかんだ、 いつも楽しそうに 笑っていた。 紅葉は空が大好きで。 よく言っていた。 「将来はあたし、鳥になるの」