そう言って紘哉は恵一から手を離した。

「ワトコ、帰るぞ」

「えーっ!でも……」

「いいから。ここには既に依頼を受けた探偵がいる。俺らは関係ねぇよ」

紘哉はスタスタと歩き出した。
羽兎も慌てて彼の後を追う。

ドアに手を掛け、外に出ようとしたその時。

「……逃げるんスか?」

「……あ?」

霞に呼び止められた。