「うむ。そうじゃったな」

反省する気が無いのか、男性は男に背を向けた。

「まあまあ、せっかく久し振りの事件なんだしさ。焦らずゆっくり行こうよ」

男の隣に立っていた少女が笑う。
男は軽く舌打ちすると、イライラした様子でズボンのポケットに手を突っ込んだ。

「そうじゃぞ。焦りは禁物。ゆっくりと説明していこうかの。
簡単に言うと、ウチに勤めている男が死んだ。他殺か自殺かも分からない。それを見極めてくれんかのぉ?」