平気だなんて言ったけど・・・本当はショックだった。

でも・・・仕方ないよね?

自分に言い聞かせて、気持ちを落ち着かせる。


諦める事には昔から慣れている。
むしろ得意なぐらい。

友達と遊びたくても、お稽古優先だった。
自分の事より、緋笙流だった。
家元の嫁になるには、やるべき事が沢山あって・・・

でも、今となっては・・・何一つ活かせないけど。


流星さんは忙しい人だ。
私なんかとは別の世界に生きる人。
そんな人が謝って、次にご馳走してくれるって。

私に時間を割いてくれる。
それだけでも有難い事。

次のチャンスがあるんだもの。
突然のキャンセルなんて、どうって事ない。

次の約束まで待てばいいんだし。
気にしちゃダメ。

強く自分に言い聞かせた。