本当はあの場で、瑠璃ちゃんに声を掛けたかった。
でも・・・

出来なかった。

次から次へと続くゲストとの挨拶。

瑠璃ちゃんだって、僕からすれば大切なゲスト。
自分で誘っておきながら、声も掛けないなんて…ホスト失格もいいところだ。

どうしたんだろう・・・。
自分でも分からないこの気持ち。

自分から声を掛けられないのに、他の誰とも話して欲しくなくて・・・
柏木にずっと横にいる様に頼んだんだ。

それでも、彼女と写真を撮りたがるゲストがいた。

そんなヤツと写るぐらいなら・・・僕と一緒に。
そんな風にも考えた。