「ケンさんの行動は、衝動的なものでした。
私の存在がケンさんを苦しめていたの。
きっと、それが一番悪いんだと思うんです」

「どういう・・・事？」

流星さんは気付いてない。
それなら、私がわざわざ言う必要もない。

それに…
流星さんに殴られた瞬間、ケンさんの纏う雰囲気が一変したんだ。
明らかに困惑して、悔やんだ表情。
その変化を見てしまったら、ケンさんに抱いた あらゆる感情はどこかに消えてしまった。

「一種のジェラシーみたいなものですよ。
だから、それは仕方ないんです。

それに・・・
史也兄さんにも責任があったみたいだし…」

「史也が？　どういう事？？」

「私…ケンさんに聞いちゃいました。
流星さんが初めて付き合った女性の事。

随分、酷い人だったんですね」

「ああ…まぁ。でも、もう随分昔の事だよ？
それより、史也に責任って？？」